Ｆａｔｅ／ｓｔａｙ ｎｉｇｈｔ − ショート・ショート・ストーリー
『衛宮士郎と遠坂凛のバカップル日記』 ２００４年４月分
【平成１６年４月２７日分】
《士郎、あくまの下着の秘密を探るのこと》
「………士郎、最後に言い残したいことはある？」
「ま、待て、遠坂！ 頼むから落ち着いてくれ！」
「あら？ わたしはこれ以上ないってほど落ち着いているわよ？」
「嘘だっ！ 誤解だっ！ 俺はただ遠坂の《執事》としてだな」
「………わたしの執事としてだと《今のこの状況》の説明が出来るの？」
「いつだかうちで急に泊まることになった時アイツに着替えを持ってこさせたことがあるだろ？
だから、もしそんなことがあった時のためにだな、俺は万全の準備を」
「………ふーん、それで士郎はわたしのタンスの中まで確認してくれてたんだ。
嬉しくって涙が出るほどの執事魂ね。
でも、それじゃあ、アンタの部屋のパソコンのモニターに残されていた
『718 名前： 699。 投稿日： 2004/04/27(火) 07:45
>>700 >>702 >>704 >>706 >>710 等々 ﾊｧﾊｧﾊｧ
よしっ！ ちょっくら逝って、下着の色を確認してくらぁ！』
――――って書き込みは一体なに？」
「…………………………………………」
「……………覚悟はいいわよね、士郎？」
「……………優しくしてくれるよな、遠坂？」
住人の見事なコンビネーションにどっとはらい。
（この一連の流れを見ていない方は、是非過去ログを読んでみて下さい。）
【平成１６年４月２２日分】
《あくま、人気投票に向けて闘うのこと》
こんな凛はイヤだ。
「戦うと決めた以上、絶対に１番になるのよ！」と啖呵をきったはいいが、情勢不利と悟り、「頑張れ自分」なメッセージをネット上に書き込もうと悪戦苦闘するも、メカ音痴のためにネットへの繋ぎ方さえ分からずに、結局士郎に助けを求めて、しかしあっさりと士郎にその意図を悟られて照れ怒る凛様。
【平成１６年４月１日分】
《あくま、エイプリルフールではっちゃけるのこと》
朝の衛宮家の食卓。
「？ どうした、遠坂？ なんか味付け間違ったか、オレ？」
「ううん、ほら、わたし元々朝は食べない主義だったから」
「しかしその割に梅干しばかり食べているのは遠坂らしくないというか」
「気にしないで、最近ちょっと酸っぱいモノが食べたくて仕方ないだけだから」
「・・・そう云えば身体の調子は大丈夫か？ 昨日の魔術講義の間も何度か」
「ああ、それも気にしないで。ちょっと吐き気が酷かっただけだから」
「・・・・・・・えっと、気のせいかもしれないし、こういうことを聞くと怒られる気がするんだが、その割に最近妙に食が進むことが多くないか、遠坂？」
「仕方ないわよ、私以外の《誰か》に栄養・・・もとい、力が持っていかれてるだけだから」
「・・・・・・・・・・・・・・・オレ、ひょっとして何か間違ったりしたのかな？」
「いいえ、間違ったのは士郎じゃなくて、私」
にっこりと、赤いあくまの特上の笑み。
「私を《こうした》責任、士郎はちゃんと取ってくれるわよね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、当たり前だろ！」
「うん、合格。ところで、士郎、今日は何月の何日？」
「！」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「まったく！ やっていい冗談と悪い冗談があるだろう、遠坂？」
「あら、衛宮くんにとってはさっきのは＜悪い＞に属する冗談だったの？」
「そ、そんなことがある筈ないだろう？」
「なら問題ないじゃない。昔から一度こういう＜遊び＞に参加したかったんだけど、
ほら、私、学校では優等生で通っているでしょう？
下手な冗談を云っても、本気扱いされちゃうから出来なかったのよ」
「ま、遠坂の表面上のことしか知らない連中はそう思うだろうな」
「む、何よ、それ！」
「正しい認識だろ？ それより遠坂、いい加減、酸っぱいだろう？」
「えっ？」
「ほら、それで七個目の梅干し。
今朝は藤ねぇも桜もこないから、もうからかう相手はいないぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・ちょっと、待て、遠坂！ なんでそこで黙るんだ!?」
「・・・・・・前回のアレって、いつだったかしら？」
「そんなこと、オレが知ってるわけないだろう!?」
「・・・えっと、責任・・・取ってくれるって云ったわよね、衛宮クン？」
「うわぁっ、そういうオチかい!?」
どっとはらい。
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