丘の上を、凍てついた風が吹き抜ける。
世界の最果てにうち捨てられたような町を望む丘に、荒涼たる風が吹き抜ける。
冬の星辰は厚くたれ込めた雲に遮られ、地上を照らすのは下界の町の人工的な照明だけだ。
丘を下るわたしの数メートル前を、士郎が無言で歩いている。
でも赤い鋼のようなその背中は、確かに哭いていた。
士郎がその腕に抱えているのは――ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの亡骸。
一刻も早く、この町を離れるべきだった。
一刻も早く、この悪夢の中から抜け出したかった。
こんな異常な事態はまったく想定していない。
勿論協会も魔術師を派遣すればそれでお終いだなんて思っていない。
予め、万が一の事態が生じた場合の為のバックアップ要員を用意しているし、緊急時にその場を離脱する手段も整えている。
一秒でも早くそうすべきだと主張するわたしに、士郎は嘘のような穏やかさで頷き、
しかし――――
「でも、ルヴィアを――ルヴィアの亡骸をこのままにしておくわけにはいかないだろう？」
どこかに大切な感情を置き忘れてしまったような、乾いた声で士郎は云った。
『心の澱』 第２話 【凛トゥルーＥＤ後―倫敦編】
黄泉へと降るような、その坂道を下っていた士郎の足が
――――真昼に幽霊でも目撃したかのような唐突さで止まる。
「？」
「今晩は、お兄ちゃん。こうして会うのは久しぶりだね」
幼い声が、なんでもない日常の挨拶のような声が夜に響く。
士郎の、わたしの視線が一斉に坂の上へと引き寄せられる。
そこにいたのは――――
いつの間にか雲は千切れ、空に輝くのは煌々たる月。
月の照らす影は長く、絵本で見る悪魔のような異形。
そして、その異形を従えるは――月の雫の化身のような少女。
「バーサーカー!?
イ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン!?」
「遠坂、伏せろ！」
士郎は叫ぶと同時にわたしを抱きかかえるように庇い、そのまま思いきり横っ飛びする。
坂の上からここまで、バーサーカーの巨体が何十メートルもの距離を一息で落下してくる。
次の瞬間、一瞬前までわたしたちが留まっていた場所を、バーサーカーの巨大な斧剣が黒い旋風となって襲う。
そして士郎に抱きかかえられながら、わたしの目はスローモーションのように目撃した。
士郎がわたしを庇った結果、必然それまでその腕の中にあったルヴィアの亡骸が零れ落ち、
――――バーサーカーの一撃で粉砕されるのを。
頭蓋は打ち砕かれ、中に詰まっていた脳髄はオレンジジュースのように噴き出し、
同姓であるわたしから見ても綺麗だった髪は、頭蓋骨と共に四方へと弾け飛び、
四肢はもがれ、最高の彫刻家が鑿で彫ったような美しい指は全て無惨に吹き千切れ、
人形のように真っ白な肌は無惨に裂け、そこに収められた臓物を大地の上にぶち撒ける。
全ては、一瞬のうちに行われ、
――――でも、わたしはその一部始終を目撃した。
「あ〜あ、外しちゃった。まったく、死んだ人間を何度殺したって仕方ないのに！」
如何にも勿体ないとばかりに、しかし微笑みを浮かべてイリヤスフィールが云う。
あのときと同じ少女の無邪気さに、背筋が冷たくなる。
天使のような少女の姿は、その従える異形とあまりにも不釣り合いで、悪い夢を見ているようだった。
そう、これはきっと――――悪い夢だ。
ルヴィアの死体は……既に人としての原形を留めていない。
こんなものは、人の死なんかじゃない。
かつて人体であったモノで作った、奇怪なオブジェでしかない。
あまりに現実離れしたその光景に、バーサーカーとイリヤスフィールに対する怒りさえ、湧いてこない。
わたしはただ……こみ上げる嘔吐感を必死に堪えることしかできない。
「……遠坂、怪我はないな？」
士郎はわたしの顔を覗き込むようにして無事を確かめると、わたしを庇うような姿勢のまま立ち上がる。
その両の手に握られているのは陽剣干将、陰剣莫耶
バーサーカーと白い妖精の少女の前に立ち塞がった士郎は、それでも目前の光景に戸惑いを隠せずに、
「……なんでさ？」と囁くように洩らす。
だけど、その小さな呟きに対して返ってきたのは――――
「だって、わたし、あの時のお礼をまだシロウに云っていなかったでしょ？」
――――雪の結晶のような少女の、軽やかな声。
「!?」
戸惑う士郎を前に、イリヤスフィールは行儀良くスカートの裾を持ち上げ、
あの時と同じように優雅なお辞儀をしながら、
「改めて、お礼を云わせて頂くわ。有り難う、シロウ。
あのとき、アインツベルンの城で、わたしを助けてくれようとしてくれて。
誰も救えない、誰も救いようのないあの状況でわたしのために命を賭けてくれて」
白い妖精は天上の調べのように澄んだ声で《ありえないこと》を云った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ありえないありえないありえないありえないありえないありえないありえない。
四年前のあの聖杯戦争で、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは間違いなく死んでいる。
英雄王の振るった剣で無惨に両の目を潰され、最期は心臓までも抉り出され、完膚無きまでに殺されたんだ。
決して忘れることの出来ない、あの凄惨な光景。
そしてその惨劇の記憶は、わたしに一つの記憶を、大切な記憶を喚起する。
あのときに初めて――
わたしは士郎の、正義の味方を貫くという理想の歪さを確信し、
あのときに初めて――
わたしは士郎の心が、自分自身に関してはまったくの伽藍洞だということを知り、
そして、あのときに初めて――
わたしは士郎を、一生涯を賭けたって真人間にしてやるんだ、って誓ったんだ。
だから、わたしはこの四年間、駆け続けてきたんだ！
士郎の伽藍洞の心に、収まりきれないほどに楽しい思いを詰め込んでやるんだ！
そして、アイツが最初に取り込んだあまりにも強い想いを、
――己のが身を捨ててでも誰かの為にならなければならないなんて強迫観念を――
消せないまでも、相対化させてやるんだ！
そう思って、一生懸命、後ろを振り向かずに、
最後に刻んだ《アイツ》の笑顔を道標に、頑張ってきたんだ！
それなのに、その当の士郎は――――
「――ごめんな、あのときは助けられなくって。
でも次こそは助けてみせる。今なら助けてみせる。
だから……こんなことはやめよう、イリヤ」
己を殺そうとする少女に向かって、諭すように語りかける――――。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「えーと、云っておくことは確かこれくらいだったかな？」
士郎の言葉を、ひとしきり可笑しそうに迎えた少女は、何か思案するように自問する。
「……あ、そうそう！ 肝心なことを言い忘れてたわ。お兄ちゃん――」
イリヤスフィールは可愛らしく小首を傾げながら、やっと思い至ったようにその言葉を告げる。
「――――早く発動させないと、死んじゃうよ？」
後に残されたのは……弾むような、しかし闇の底から響くような笑い声。
「うん、これでわたしの役目はとりあえずお終い。
じゃあ、殺すね？ やっちゃえ、バーサーカー！」
そして白い天使は、歌うように異形の巨神に命じた。
「■■■■■■■■ー!!」
「――――投影、開始！」
流星じみた幾条もの弾丸が、突進してくる巨体をつるべ撃ちにする。
士郎が咄嗟に投影した《矢》がバーサーカーに確実に突き刺さっていく。
しかし、あの時と同じように黒い巨体は止まらない。止まる筈がない。
今の士郎は体格こそ《アイツ》のそれに限りなく近付いている。
だけど、剣技の完成度は未だ遠く及ばず、魔力に至っては較べるべくもない。
だから当然、サーヴァントと真っ向から対決して、勝利を収めるなんてことは到底叶うべくもない。
それでも、この黒い巨人に背中を向けて逃げ出すことなんて出来ない。
そんなことをしたら次の瞬間、わたしたちの身体は間違いなく両断されている。
「遠坂、逃げろ！」
叫ぶと同時に、再び両の手に干将莫耶を握りしめた士郎は、バーサーカーの竜巻のように襲いかかる旋風を払い落とそうとして、
「■■■■■■■■■■ー!!」
「!?」
――――しかし、そのまま一直線に、坂道から外れた荒れ地に叩き込まれる。
「士郎っ!?」
叫ぶと同時に、わたしの身体は硬直から解き放たれていた。
「Alle Kugel―――！
Der Riese und brennt das ein Ende――――！」
ありったけの手持ちの宝石をバーサーカーに叩きつけ、わたしは士郎の後を追った。
「士郎っ!? 大丈夫っ!?」
士郎が吹き飛ばされたのは、奇しくもあの時と同じ坂道脇にあった墓地。
その墓石と墓石の間から頭を振りながら立ち上がった士郎は、
しかしわたしの顔を見つけるなり、あろうことか――
「この馬鹿っ！ なんで来たんだ!? 逃げろって云っただろう！
折角オレがチャンスを作ったって云うのに、台無しじゃないか!?」
開口一番、怒鳴りつけてきやがった。
「――――――――――――――！」
――――怒りのあまり、先程まで心に溜まっていた黒々とした想いが、一瞬で蒸発する。
頭の芯まで、神経の一本一本にまで怒りの感情が行き渡って、かんかん踊りを始めていた。
人の気も知らないで！
わたしの心の裡も知らないで！
この大馬鹿者はいったい何を云っているんだっ!?
「馬鹿なのはアンタの方でしょ！ バーサーカーと真っ正面から立ち向かうなんて正気!?
それに、わたしがそんな事を云われて素直に頷くような可愛い性格をしていると思ってるの!?」
「そ、そんなところで開き直るんじゃないっ！」
「わ、悪かったわね、可愛くない女で！」
「誰が遠坂のことを可愛くないなんて云ったっていうんだよっ!?」
……ん？ ちょっと待った！
それ以前にコイツ、さっき聞き捨てならないことを云わなかったか!?
「――――士郎、念のために確認させて貰うけれど、
そんな自殺紛いな真似をする馬鹿がいる筈ないって確信して聞かせて貰うけど、
まさか……わざとバーサーカーの一撃を喰らったなんて巫山戯たことを云うんじゃないでしょうね!?」
「……………………………………………………」
当たり前だけれど、士郎は《アイツ》と同じで、隠し事をしても嘘は決して云わない。
だから、この場合の沈黙は肯定以外の何ものでもありえない。
「――――――――――――――」
足が萎えそうになる。
心が挫けそうになる。
この四年間わたしがやってきたことはなんなのよー！ と喚き散らしたくなる。
堪えきれなくなったわたしの、両の目に込み上げてきたのは………
「お話はもうお終い？」
イリヤスフィールの心底愉快そうなその呼びかけが、だからわたしにとっては救いだったのかもしれない。
しかしそれと引き替えに私たちの前に再び立ち塞がったのは、具現化された死の如き黒い巨人。
「――すまない、遠坂。ほんの少しだけ時間稼ぎをしてくれるか？」
そう云いながら、士郎はバーサーカーとの距離を巧みに図る。
「今更云っても遅いわよ！ それに手持ちの宝石ならさっき全部使っちゃったし！」
士郎の、紅い鋼のような背中に向かって、わたしは込み上げたものを強引にねじ伏せるように怒鳴り返す。
「そう云いながらも、最後の最後まで奥の手を隠しておくのが遠坂だろ？
……ほら、コートの左脇裏の隠しポケット！」
「うっ！」
士郎は憎らしくなるほど冷静な口調で、わたしの一番大切な宝石の在処を正確に指摘した。
――――でもこれは、この宝石だけは使えない。
死の淵に足をかけていたって、遠坂の家の魔術師としては簡単に使えるわけがない。
士郎には教えていないけれど、これは《宝石剣》を解析する為の、重要な手懸かりとなるかも知れない宝石なんだから。
それにこの深紅の輝石は何よりも――――《遠坂凛》にとって大切なものなんだ。
そんなこと、誰よりも士郎が知っている筈じゃないの！ と叫びたくなる。
だってこの宝石は――――士郎からわたしへの、倫敦に渡ってから最初のプレゼントなんだから。
これを手に入れる為に、士郎は執事としてルヴィアの屋敷に……！
そう、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの………………………
「――――――――――――――」
士郎はそれ以上、何も云わない。
ただその赤い背中に、決して揺らぐことのないように見える鋼鉄のような背中に、今また一生消えることのない、深い疵が刻み込まれたことを、わたしは理解する。
だからわたしは――――
だけどわたしは――――
「――わ、分かったわよ！ 覚えてなさい！ 士郎には絶対にこれより高い宝石を買わさせて、埋め合わせして貰うんだから！」
――心を檻に閉じこめて、いつものように精一杯の虚勢を張ることしかできない。
「――――準備はできたみたいね。じゃあ、今度こそ遠慮なしよ、バーサーカー！」
響く少女の声と同時に、薙ぎ払われる巨人の大剣。
その暴風のような一撃を、吹き飛ぶ無数の墓石をかわしながら、わたしはなんとかバーサーカーとの距離を取る。
乱舞する墓石の中、闇を走る銀光を、触れれば何物をも滅ぼす斧剣の一撃を、士郎の双剣が演舞のように受け流していく。
その間にわたしは、最後の宝石に、何よりも大切な宝石に更にルーンを刻み――
「士郎！ 替わって!!」
準備を整えたわたしは叫ぶと同時に、普段とは前衛と後衛の役割をすっかり入れ換えて、士郎の前へと出る。
「■■■■■■■■■■ー！！」
帯電した殺気が、全身の肌を刺すようにしながら迫ってくる。
一瞬でも気を抜けば、身体どころか、意識まで完全に持って行かれない。
だけど、わたしを無条件に信じてくれる士郎のためにも絶対に退くわけにはいかない。
それが今の遠坂凛にとって――何よりも一番大切にしたい気持ちなんだから。
「――――投影、重装！」
士郎の詠唱が始まると同時に、その狙いを看て取ったらしい黒い巨人が、悪夢そのもののようなスピードで突進してくる。
「――――I am the bone of my sword.」
士郎のために稼がなければならない時間は三秒弱。
瞬きするようなその短い時間が、それでもわたしたち魔術師にとってはダイヤモンドよりも貴重だ。
だから――無理に力押しする必要なんて何処にもない。
仕掛けは至ってシンプルに、仕上げは魔術ですらなく物理法則に則りさえすればいい。
「Unter den Boden bringen――――！」
その短い詠唱と同時に、わたしは思いっきり背後に飛びすさる。
目前に死の影を捉えながらも、決して目を瞑ることなしに、詠唱の結果を見届ける。
あと一歩、いや半歩踏み込んでいれば、確実にわたしを叩き潰していた筈のバーサーカーの一撃は、しかし振り下ろされることはなかった。
大地が…………轟音を伴って鳴動する。
「■■■■■■■■■■ー!!」
バーサーカーの巨体は――わたしの詠唱と共に崩れ落ちはじめた大地に、みるみるうちに飲み込まれていく。
そう、ルーンを刻み、地面へと押し込まれたわたしの宝石は、墓地周囲の地脈を崩壊させ、多数の墓石と共に、異形の巨人を生きながらにして埋葬していく！
「■■■■■■■■■■ー!?」
バーサーカーは先程とは違う、明らかに憤激の混じった咆吼を洩らし、その巨体からは信じられないほどの身軽さで崩壊する地面から抜け出そうとするけれど、
――――それはもう遅すぎた。
弓を構えた士郎の腕の中に現れたのは、豪華な柄と螺旋状に捻れた刀身を持った《矢》。
その名は――――
「―――“偽・螺旋剣”」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
士郎の弓から放たれた偽・螺旋剣は、真っ直ぐにバーサーカーのこめかみを直撃する。
次の瞬間、真昼の明るさと漆黒の闇が交互に演出され、その場にいるもの全ての視野を焼き尽くす。
朦々たる土煙が収まった後に残されたのは、ようやく戻ってきたわたしの視界が捉えたのは、
わたしの宝石がもたらした黒々とした大穴を、更にクレーター状にしたクラスター爆弾の爆心地のような地面。
それでも――――
「■■■■■■■■■■ー!!」
「!?」
それほどの破壊を士郎の投影した偽・螺旋剣は巻き起こし、
――――それほどの破壊をもってしても、バーサーカーはやはり健在だった。
「■■■■■■■■■■ー!!」
火の輪が夜の闇に溶けていく中、巨人は地の底から再び咆吼を上げる。
「ふーん、流石はシロウね」
目の前の惨状などまるで目に入っていないような、楽しげなイリヤスフィールの声。
荒い息を整えながら更に第二撃をつがえようとする士郎に、
――しかし心底不思議そうに、この告死天使は問いかける。
「でも、シロウ？ 何故《本当の力》を使わないの？
その力さえあれば、わたしもバーサーカーも簡単に殺せちゃう筈でしょう？」
「！」
そのイリヤスフィールの問いに、士郎は傍目にも分かるほどに息を呑む。
本来、今の士郎とわたしの力ではサーヴァントと真っ向から戦って叶うわけがない。
でも、唯一勝機があるサーヴァントは誰かと問われれば、それは最強の兇戦士である筈のバーサーカー以外にはいないという皮肉。
そう、バーサーカーのマスターがイリヤスフィール・フォン・アインツベルンである限り、たった一つ勝利の手段はあるのだ。
最も効率的なその手段を、四年前のあの日、わたしも士郎も目の当たりにしている。
だけど、それは――――
「まあいいわ。その方がシロウらしいしね。
いいわよ、バーサーカー。つまらないお仕事は本当にこれでお終い。
最初から結果まで出せなんて云われていないしね」
黒い影が、炎の中、少女の声に応えるように掻き消えていく。
「――――――――――――――」
だけど、士郎も、そしてわたしも、無防備となったイリヤスフィールに何も出来ない。
そんなことが出来る士郎なら、最初からわたしが好きになったりする筈がないんだし、
万が一、わたしがイリヤスフィールを手に掛けようとしたのならば
――この見も知らぬ少女の為に、士郎が必ず止めに入るのが分かっていたから。
「それじゃあね。もし機会があったら、万に一つ今回の試練を生き延びることが出来たなら、また遊ぼうね、お兄ちゃん」
呆然と立ち竦むことしか出来ないわたしたちを愉快そうに見つめながら、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、炎の向こう側へと消えていった。
（続く）
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